政府による「緊急事態宣言」が延長される方針となりました。
同時に、小1・小6・中3のみ先行で登校を再開する案や、9月を入学・始業時期にするという案も出てきています。
子ども達に、どのような影響が出てくるのでしょうか。
「緊急事態宣言」延長の方針
感染拡大の収束が見通せないため、政府は「緊急事態宣言」を延長する方針を発表しました。
来月6日に期限を迎える #緊急事態宣言 を巡り #安倍総理 は自民党の #二階幹事長 らに対して緊急事態宣言を延長する考えを伝えたという。#政府 は既に専門家などの意見を踏まえ、全ての都道府県を対象に延長する方向で調整を進めていて、延長の幅は最大で1か月程度を想定している。 pic.twitter.com/kDfxgt5TIr
— TBS NEWS (@tbs_news) 2020年4月30日
すでに学校から休校期間延長の連絡が出されている自治体もあると思います。緊急事態宣言の具体的な延長期間についてはGW中に発表される見通しです。
小1・小6・中3の「先行登校」の可能性
新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言により、学校の休校が長期化しています。
いつ再開されるのか先が見通せない状況ですが、4月30日、文部科学省から学校再開に関して方針が出されています。
学校全体の再開ではなく、小1・小6・中3の3学年を優先して、先行再開する案です。
【小1・小6・中3登校再開先行も】https://t.co/dhXfrnE6xJ
新型コロナウイルスの影響で長期化している休校の解除を巡り、文科省が小1・小6・中3の登校を先行させる案を示す方針を固めたことが判明した。入学直後だったり卒業や入試を控えたりして、優先度が高いと判断。— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2020年4月30日
小学校1年生は年齢的に就学直後。小学校に慣れるために時間が必要だという観点です。
小6と中3は卒業や入試を控えている学年のため、足りない授業数分の翌年度への振り替えが難しい点を重視しています。
登校の再開を学年別に区切りながら実施することで、感染拡大を防ぐ目的もあります。
【学校再開指針「明日までに」】https://t.co/mcbTYkDxTE
萩生田文科相は参院予算委員会で、休校している公立学校の再開に関し、5月1日までに文科省として指針を示す考えを明らかにした。進学を控える最終学年から学習活動を始めることなどにも言及。— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2020年4月30日
授業数の面を考えると、今年はもちろん来年度以降も影響が出てきそうです。
新学習指導要領で増えた小学校の授業時間
2020年度に導入された新学習指導要領により、小学校の授業時間が増えています。
3年生からプログラミング教育や英語の授業も本格化するため、2019年度との比較で、3年生以上の各学年は年間35時間(授業の単位時間)ずつ増加しています。
[参照]文部科学省 新学習指導要領 P.12 小学校の標準授業時数「改定後」「」現行
「1単位時間」は45分ですので、授業の35時間は約26時間分になります。
「9月入学・始業」という選択肢
このような緊急事態の長期化のため、9月入学・始業制度の導入に関する意見もあります。
「9月入学」総合的に検討 政府
入学時期を9月に変更することについて、政府は、休校に伴う教育格差の解消などが期待できる一方、社会全体に影響が及ぶことから、総合的に検討を進める方針です。
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) 2020年4月29日
9月案は検討される予定ですが、まずは児童生徒へのタブレット端末の配布やオンライン学習の実施など、学習環境の整備が重視されています。
文科省によりますと #新型コロナウイルス の感染拡大に伴う臨時休校を受けて小中高生の家庭学習を充実させるためパソコンやタブレット端末を使って出題、回答する #オンライン学習 システムを開発するということです。
— TBS NEWS生活・防災 (@TBSNEWS6) 2020年4月27日
これらの学習環境整備とセットで今後、総合的に判断される見通しです。
世界では9月入学・始業が多数派
学校が9月にスタートする国は、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ベルギー、トルコ、モンゴル、ロシア、中国など、人口を考えるとかなりの多数派です。
日本では明治時代に、行政の会計年度に合わせて学校も4月スタートにそろえた経緯があります。当時、日本の納税の原資はお米が大半を占めていたため
- 米の収穫→売却(現金への換金)→納税→国の予算編成
このような流れでした。
西洋化が導入されつつも、行政的には1月スタートは間に合わず。そこで会計年度を4月スタートにしているイギリス方式を導入しています。
(イギリスでは、会計年度は4月、学校は9月スタートになります。)
今回の9月案については日本全体に及ぶ影響が大きく、全国的に一斉に変更できるのかという慎重論もあるようです。
2020年の夏休みはどうなる?
加えて心配されているのが、2020年の夏休み。多くの自治体で「短縮」が検討されています。
【独自】学校「夏休み短縮」、自治体の半数超が検討…休校分の授業確保https://t.co/uqGnX1xhAy#社会
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) 2020年4月29日
小学校では授業時間数が増えているため、休校期間分の授業確保が問題になっています。
- 夏休みの短縮
- 学校行事の縮小
- 土曜授業の実施
これらが検討されています。
休校で失われた授業時間の確保策(複数回答)については、「夏休み短縮」が最多の63自治体(52%)で、次いで、「修学旅行など学校行事の縮小」(59自治体、49%)、「土曜授業の実施・拡充」(34自治体、28%)だった。
とくに例年、行事の多い小6・中3については、やはり他の学年よりも早期の再開が必要になるでしょう。
また、高校生については言及されていませんが、大学受験を考えると推薦入試の時期はどうなるのか、スポーツ関連で進学を希望していた生徒たちの評定はどのようになるのか。不安が大きいと思います。
夏の熱中症対策は?エアコン設置について
夏休みの短縮の際に気になるのが学校へのエアコンの設置です。
小中学校の教室、年内に冷房設置9割へ 昨夏の猛暑受け https://t.co/ODamscfKEP
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) 2019年9月19日
2019年9月段階の情報でも、2019年の年度末(2020年3月)までに冷房設置率は全国で9割という見込みでした。(幼稚園から高校まで全国の公立学校)
今回の休校期間中に設置工事を進めた自治体もあると思いますので、教室の温度管理については期待できそうですね。
休校期間中の自主学習
休校期間の終わりが見えない中、学習へのモチベーションを保つ自主学習がポイントとなります。
上記、文科省の報道の通り、デジタル学習やオンライン授業の導入も進められていますので休校中から利用に慣れていくことも大切だと思います。
デジタル学習は、ドリルや問題集での学習よりも答えの正誤がパッとわかりますし、やる気につながるような工夫が込められています。
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一問一答タイプなので回答しやすく気楽にスモールステップで学べます。
幼児版は0歳から利用でき、日本語と英語のフラッシュカードが約700種類2,000枚以上も収録されています。
さいごに
学んでいくには、ゆとりや遊びも必要だと思います。
休校期間が明けた後、授業を取り戻そうと長時間の学習が続くと、子ども達も先生方も負担が大きくなっていきます。
長丁場になりそうな休校期間は、無理をさせず、できる範囲で学習意欲が保てるような遊びと学びの合わせ技が必要となりそうです。
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