通信制高校と「ゼロ校」
高校に進学できなかった人、高校を休学せざるを得ない人、中退した人、いろんな状況の人がいます。
選択肢の一つとして「通信制高校」が定着してきました。
地元限定の定時制課程とは異なり、通信制高校はさらに広域で募集され、デジタルツールで多様な分野を学ぶことが可能になっています。
- 通信制高校と「ゼロ校」
- 通信制高校の現在と未来
- ゼロ校は他の通信制高校とどのように違う?
- 計画から開校までハイスピード
- 「N塾」と「N高等学校」
- 学校システムの再構築
- 入学するには?
- 学費は?
- 《まとめ》進学方法の多様化・生き方そのものの変化
通信制高校の現在と未来
自主学習と課題のクリア、実地スクーリングにより単位を取得し、高校卒業資格を取得することもできます。
学ぶ意欲の継続などの面で困難も多いと言われている通信制高校ですが、近年、多数の特化プログラムを持つ学校も登場しています。
中でも注目されているのが10月1日に開校した堀江貴文さんプロデュースの「ゼロ高等学院」です。
通信制高校における高卒資格
通信制高校に在籍して高卒資格を目指す場合、提携している高等学校との連携により規定単位を取得して卒業資格を得ることができます。
ゼロ高等学院も、神奈川県にある「鹿島山北高等学校」と連携し、単位取得により高卒資格を取得できます。
ゼロ校は他の通信制高校とどのように違う?
ゼロ校では「HIU(堀江貴文イノベーション大学校)」へ参加できる可能性や、プロフェッショナルの仕事を在学中に体験できる点が大きな特徴です。
様々な分野で活躍中の専門家、ハイレベル事業を手掛けている人物たちから直接学ぶチャンスが巡ってくるかもしれません。
ただし、学ぶためには単位取得は必須、クリアすべき段階もあるため容易ではないようです。
しかし勉強と活動の両方を試行錯誤しながら学んでいけるのも、時間をいっぱいに活用できる学生時代の特権。失敗してもいい、現状を打破しよう、という大きなコンセプトのもと、非常に大きな人生経験を得られそうです。
計画から開校までハイスピード
ゼロ校の発案は2018年2月とのウワサです。
堀江貴文さんと並ぶ発起人は、ベストセラー『ビリギャル』の著者・坪田信貴さん。
坪田塾の塾長である坪田さんは、2018年2月に堀江さんとの対談ですでにゼロ校のイメージができあがり、同年10月1日に開校。
超速で実行された学校なのです。
坪田さん著書『人間は9タイプ』
坪田信貴さんは生徒を学ばせるときに人物を判断したうえで指導していると著書で語っています。
その著書『人間は9タイプ』では、教える側と学ぶ側の学習方法・思考傾向には違いがあるため、タイプ別の指導方法が大切であることを指摘しています。
坪田さんはこれまでに「N塾」や通信制高校「N高」をサポートしている人物で、教育の在り方を真剣に考えている凄腕教育者なのです。
「N塾」と「N高等学校」
N塾は2018年3月で募集が終了していますが、東大合格を目指す全寮制の塾として坪田さんがN高生を全面サポートしてきた指導塾です。
N高等学校は学校法人角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校。
2016年4月の開校以来、2018年9月の段階で計7,000人超が全国で学んでいます。
N高の特化授業
N高等学校では将来の職業につながるアドバンスト・プログラムという特化授業が強力なポイントとなっています。
全国トップレベル大学への受験対策コースはもちろん、プログラミングや漫画制作、ファッション、漁業、農業など専門コースも多様。
既存の高校に通学する方法では得られない体験コースがコンテンツのように用意され、大人から見てもうらやましい限り。学び直したくなるような豊富さです。
学校システムの再構築
著書をはじめ、多方面で圧倒的な活躍をしている堀江さんと、N高のノウハウを持つ生徒指導法のプロ・坪田さんとのスーパー連携で生まれた「ゼロ校」。
宇宙ロケットの開発からファッション、エンジニアリングまで多様なコースがあり、研究的なコースから能力開発・起業的な内容まで高校生の間に学ぶことができます。
堀江さんが学校システムを壊す(再構築する)と話しているとおり、学校の在り方や既存の枠組みを突破するような学びの場になっているのです。
入学するには?
他の通信制高校と同じように、転入(他校からの転入)・編入(中退者の入学)を前提としています。全国から募集している定員は400名。
新入学の時期は4月と10月の年2回で、編入・転入生は毎月受け入れ可能。
面接などにFacebookアカウントが必須で、先日10月6日、静岡県にある「ゼロの郷」で入学式が行われています。
学費は?
「ゼロ高」に通うには、連携先の鹿島山北高等学校の学費も必要になります。
鹿島北高等学校は就学支援金の対象ですので、一般的に以下のような学費になる見込みです。
[3年間の費用]
- ゼロ校…約110万円
- 鹿島北高等学校・・・約30万円(※就学支援金適用後)
基本費用としては約140万弱ですが、単位のための教科書代や、目玉となるスクーリングの費用が別途必要になります。
《まとめ》進学方法の多様化・生き方そのものの変化
トップクラスの大学の学生がクイズ番組に出たり、起業家になったり、自由に活躍している世の中です。芸能人で大学受験する人もいます。
でも小中学生・高校生の間は、親としても学校に通ってほしいと考え、普通のレールから外れるのは怖いものです。
そういう世の中でサポートしているのが通信制高校。
特に「ゼロ校」や「N高」では、今の環境から脱出してよし、他に選択肢はある、という生きるルートを、日本のトップの人たちがアクティブに見せてくれているのだと思います。